荒野のジャバザハット

夕陽のギャングたちの荒野のジャバザハットのレビュー・感想・評価

夕陽のギャングたち(1971年製作の映画)
5.0
裏切りに対する制裁という絶対的な理由を胸に自身の心の本音から逃げ続けた末に見る白昼夢の様な終焉、モリコーネの曲にまどろみながら見せる追憶の原風景はこの世との決別の際に見る物としてとてもリアルで生々しく思いながらもその三人の姿を写す映像美に見惚れてしまう。

盗賊として金品を奪いその日暮らしという名のサバイバルを生業にしているフアンの唐突に誘われる地獄巡りとも言える物語と爆破を武器に逃避行を続ける革命家崩れのジョン自身の過去との対峙をとてもコミカルに、そしてシビアに見せつけられる。

レオーネ作品に多く見られる男二人の奇妙な友情物語だが今回は特にウェットというか、次作のワンアメに通じるものが沢山あった。

全てを失い革命だけが残った彼の行方を思わず考えてしまうラストも本当好き。