年明け1発目、今日から新企画《日本の恋愛の映画》、Vol.1。
個人的にこのジャンルが1番縁がない、遠いジャンル。かなりの食わず嫌いエリア。締まっていこう!
「めし どこかたのむ」
「キター!!♪───O(≧∇≦)O────♪」
これ実話とされてる。
それなのに、最後の最後のシーンはなぜあれで終わったのか、それだけが疑問が残る作品。
これが評価が低い“謂れ”のような気がするけど、もうそこは気にしなければ良いと思う。
いわゆる2ちゃんねるのネットの住人、“電車男”と名乗るアキバオタクが電車トラブルで女性を助けたことで淡いロマンスに足を突っ込む話。
その模様を、日々の2ちゃんねるで公開してめちゃくちゃ話題になり、本になり、映画になり、TVドラマになり、、、。
この電車の大騒ぎのめんどくさいおっさん、大杉漣さん。
最近ああいうおっさん減ったな。それもまた、時代、、、だな。
当時の世相や発展するネット文化においての“身分違いの恋愛”みたいなロマンスが爆発的な支持を受けた原作、というか、もはや“珍事”。
当時、文庫本買ってめちゃくちゃ盛り上がった記憶がある。
盛り上がり過ぎて2ちゃんねるに書き込んで、総スカン食らって、あっちの住人達から「もう来んな」とディスられまくったっけ。
“エルメス”、この映画では中谷美紀だけど、本当に上品で、偏見もなく、お茶目な女性。とても女性として素晴らしい。魅力的。この中谷美紀は可憐さ聡明さは反則。
「あれ、本当はカマかけてたんです」
「、、、、、アパーム!アパーーーム!!」
ウケる。
ネットの住人だろうと、オタクだろうと、何だろうと、思い人へのアプローチはそう簡単なものではない。
好きな映画は?と問われて『マトリックス』の件でウォシャウスキーの頭の中と哲学を紐解く“電車男”、全く通じてないけど、そこから何やら妙に距離が近付く感じが、まさに“萌え”。
「やっぱり家までお願いします」
そして、この2ちゃんねるのネット住人たちの顔ぶれがスゴい。
国仲涼子、永山瑛太、佐々木蔵之介、木村多江、岡田義徳、三宅弘城、坂本真。
「ひとつだけ言っておく。相手は1人、こっちは俺らがついてる。」
このまったく頼り甲斐のないネット仲間たちの好き勝手な妄想に近い支援が真剣なのか何なのか、面白おかしい。
山田孝之の“電車男”。“おめかし”してからはもはやオタクには見えないが、とにかく1人の女性をもてなし、リアルな繋がりを作ろうと、もがき、苦しみ、1歩踏み出す。
何にせよ、この彼の勇気。
色々リアルに繰り出すと上手くいかないこともたくさん。しかしながら、ただその純粋さ、それだけを褒め称えたい。
その時点では明らかに住む世界が違う人に対してチャレンジする精神。
2ちゃんねる内でも当の相手にも弱音を吐きまくるが、今まで経験してことのないような言い難い恋愛の苦難。
これを乗り越えようとしたり、挫折したりする彼の一挙手一投足が、何となく過去の自分の経験とか淡い思い出に重なる切なさ。
自分もなんか不覚にも勇気をもらっちゃった感。
そして、その“珍事”、彼の勇気がネット住人達の心持ちも変えるような、爽やかな、でも時には盛り上がり過ぎたり、真剣さも裏目に出る、普遍の恋愛あるあるが潜む映画。
「お前は奇跡を俺たちに見せてくれたじゃねぇか!相手の家に行くなんて、そんな簡単なことじゃねぇんだぞ!ましてや海外に行くよりもよっぽど。彼女の家へのチケットはJTBじゃ売ってねぇんだぞ!諦めんな!」
原作は顔が見えないのにやたらと詳細キボンヌで生々しいからもっと衝撃だったけど。
百式Tシャツ、これ確か当時ユニクロで売ってたのかな、今更ちょっと欲しい。
F:1609
M:26283