HK

傷だらけの栄光のHKのレビュー・感想・評価

傷だらけの栄光(1956年製作の映画)
4.0
昔からポール・ニューマンの主演作でスティーブ・マックイーンのデビュー作だとは知ってました。でもなかなか観る機会がなく、今回CSのマックイーン特集でようやく鑑賞。

序盤で少年院から出たばかりのニューマン(当時31歳)が早速また不良仲間と合流するシーンで一人目の仲間がサル・ミネオ(17歳)、二人目がマックイーンです(26歳)。
マックイーンは完全ノンクレジット(昔の映画はクレジットタイトル短いですからね)で、序盤の3シーンくらいに出ましたが、後半はもうチンピラ同士のいざこざで殺されたことになってて出てきませんでした。

監督は後にマックイーンが唯一アカデミー主演男優賞にノミネートされた『砲艦サンパブロ』のロバート・ワイズですから、この頃からの縁なのでしょう。

本作が初めての主役となるニューマンがその半生を演じるのは実在のプロボクサーです。名前はロッキー・バルベラ・・・、リングネームはロッキー・グラジアーノ・・・こう聞くとどうしても『ロッキー』を思い出してしまいます(『ロッキー』の主役の名はロッキー・バルボア、元ネタと言われるやはり実在したボクサーの名はロッキ-・マルシアーノ)。
微妙に違いますがよく似ています。
脚本を書いたスタローンも当然本作は観ていたでしょうし何らかの影響はあるんじゃないでしょうか。

しかもそれだけでなく、今回観てみて『あしたのジョー』や『レイジング・ブル』などボクシングを題材にした作品の多くがいろんな点で本作の影響下にあることがよくわかりました。
(ちなみに同じく実話の『レイジング・ブル』の主役ジェイク・ラモッタはグラジアーノと少年時代からの友人だそうです)

また、家族の物語としても恋愛・青春ものとしてもしっかり作りこまれており、ボクシングの試合もなかなか手に汗握ります。
古い作品だからと、実はちょっと舐めてましたが十分楽しめました。

原題は“Somebody Up There Likes Me”(主題歌もあり)。
神様に好かれてるというような意味で、“自分はついてる”というときに使う表現のようです。たぶん・・・(英語弱くてすみません)。
HK

HK