Narmy

わたしを離さないでのNarmyのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
3.8
原作カズオ・イシグロにひかれ鑑賞。

1952年、不治とされていた病気の治療が可能となり、1967年、人類の平均寿命は100歳を超えたという架空のおはなし。

キャシーHは、28歳の介護人。
見つめる先にはキャシーが介護している男が横たわる。
穏やかにみえるキャシーの生い立ちが語られる。

周りを自然に囲まれた閉鎖的な寄宿舎で規則正しい生活を送るキャシー、トミー、ルース。
そこに新しい先生が赴任して来ることにより、徐々に隠されていた部分が顕になる。

内容としては誰もが何処かで1度は聞いたことがあるのではないかとは思うんだけど、何度聞いても衝撃的な内容であることに変わりはない。
架空と言っても、時代が少し前という設定なため、ひとつ間違えばこうなっていたのかもという思いもよぎり、余計に恐ろしくなる。
すれ違ったその人に、目が合ったその人に、どんな人生があるかなんて普通は考えないのだから、あってもおかしくない世界に思えてしまう。
寄宿舎ヘールシャムにはそんな使命が、、知ってどうするんだろう、、何かを変えるために存在していたのではないのか、、

未来が決まっているとしたら、、
人はその制約の中で、癒しを求め、一縷の希望を純粋なまでに信じる。

もしかしたらあるのかもしれない世界、もしかしたらこれから起こるかもしれない世界、、
でも決して超えてはいけない世界であることだけは間違いない。
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