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綴方教室のbrianのレビュー・感想・評価

綴方教室(1938年製作の映画)
3.9
バラック小屋で家族と暮らす小学生の正子(高峰秀子)にまつわる悲喜交々の物語。

小学生高学年の時クラス全員で作文を書かされた。良作には先生が教室で読み上げてくれたのはうれしかった。ある時、白紙で提出するとそれを床に叩きつけて怒られたことも。Filmarksでレビューなしの投稿☟はスタッフさんが怒っているかな笑。

貧しさの中でも家族が支え合い懸命に生きていく姿は心打たれる思いだ。
ちゃぶ台を囲んで家族一緒にお茶漬けを食べている。これが美味しそうに見えるんだよね。

初めて動く徳川夢声を見る。
気が優しくて人に騙されやすく、亭主関白のかけらもない飲んだくれのダメ親父役に好感が持てる。
母親役の清川虹子は口やかましいけど、ダメ親父を叱咤激励しながらサポートするかあちゃん偉い。冬の井戸水で食器洗いは手がかじかむ。
天才子役スターであるデコちゃんこと高峰秀子は明るい性格で観察力が鋭く文章力のある女の子を熱演。母親にほうきでたたかれ泣きながら謝る場面が印象的。これは親と子の正しい関係のひとつじゃないかしら。

製作主任に黒澤明が名を連ねている。
薄汚いバラック小屋、幅の広い黒板、教室の細長い机などが作品の演出に関わる。

https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/
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