青二歳

千羽鶴の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

千羽鶴(1953年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

原作川端康成。吉村公三郎監督、新藤兼人脚本。のち増村保造が同じく新藤兼人脚本でリメイク。ぜひ比べたくて神保町シアターへ。変態川端康成の魅力炸裂。片や美しい叙情、片やド変態エロエロ。まさにヘムタイ川端文学。
まだ初心なあの頃…"雪国"にどんだけ苦戦したか。のち読み返してやっと理解した…エロじゃねーか!(ノ`・∀・)ノとコケた若き日のおもひで…
そんな川端文学の不健全さを一身に体現するのは吉村版では杉村春子。増村版では余すところなく全員不健全なんですが、吉村版では控えめ。もっとも木暮実千代の官能性は隠しようもありませんが。リメイク版の泣きっぱなし若尾文子といい、木暮実千代といい…そりゃ父の妾でも関係を持っちゃうよね!仕方ない!という説得力(?)が映画化には必要ですものね。二人ともやり過ぎくらいでクドいのだけれど、このくらいインパクトがある方がいい。
また物語上の主役である森雅之は年齢が高すぎる気がするものの、彼の柔らかい語り口から伺える優柔不断や苛立ちがとてもよかった。そして娘役の乙羽信子。可憐という言葉がぴったり。

杉村春子の役の幅を痛感する映画でした。いやぁ無気味だった。20代くらいの青年がこんな女に粘着されたらまぁ堪らん…
また鎌倉の茶会の階段のショットなどかっこよくて、陰鬱で不健康でみんな幸せにはならんお話なのに画面が引き締まっていて見応えがある。
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