このレビューはネタバレを含みます
過去と現代を行き交いながら、記憶を失った青年とその祖父によるロードムービー。
共産党政権下のブルガリア、難民キャンプ、亡命。
そこに生活する人達の生き辛さ。
逃れるために、引き換えに失うもの。
それらがよく表されていた。
居心地の良くない生活の中にも、一際微笑ましい瞬間もある。
特にキャンプ生活の最中、街に繰り出してバイクに跨がってはしゃぐ父親の姿が印象に残った。
物語の本筋の弱さは露呈しているものの、ブルガリア映画として難しいテーマをここまでユニークに描けるなら賛美せずにはいられない。