数年後は、数ヶ月後は、数日後には明日にはこの気持ちが醒めて、違う考え方の自分になるのはわかっている。だからこの今この時が尊く、それは切なく、苦しい。
この気持ちの高鳴りは今、この時だけ。
ふと思い出すことはあっても、ずっと保ち続けられることはきっと無い。
いたずら小僧なイーサン・ホークがひたすらにイケメン。ちょっとした素振りや表情がいちいち男前。
取り止めもなく互いの持論を話してるだけなのに、アドリブかと思うほどのとっても自然な会話が楽しくてずっと飽きずに見てられる。
あの原っぱでは結ばれずにプラトニックな関係だったと思いたい。もし結ばれていたとしたら、鑑賞者とは異なる強烈な思い出が2人に残ると思うから。勝手な解釈だけどそれは違う。
続編をすぐには見たくないと思う稀な作品。しばらくはこの夜明けの余韻に酔いしれたい。
2人の姿を失ったウィーンの朝は少し物悲しく、同時に新しい一日がとつとつと始まる。
