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白熱のRのレビュー・感想・評価

白熱(1949年製作の映画)
4.3
マザコンでキチなギャングのボスの悪行を白日の下に晒そうと、ギャングを装って刑事がボスと懇意になり潜入捜査をするという話で、クライム、投獄、脱獄、銃撃アクションなど様々な展開をグングンくぐり抜けて、最大のクライマックスでドカーンとばっさりフィナーレ。ほんとにいろんな見せ場を盛りに盛ってて、そこそこ登場人物も多いため、中盤多少話を追うのが大変ではあったんだけど、あとあと考えると話はめちゃめちゃシンプルで、様々な邪魔や裏切りを蹴散らしてボスは2つの犯罪をうまくやり通すことができるか、それだけ。で、様々なひとのそれぞれの思惑が絡み合うスリリングなサスペンスになっている。特に主人公のボスを演じるジェームスギャグニーの演技が魅力満載。コロコロ変わる表情の豊かさ、悪役なのに全身からにじみ出る親しみやすさ。特に、裏切りに気づくシーンの演技には心揺さぶられる。あと、奥さんの、気丈でしたたかな雰囲気のわりに、男たちに依存しなければ生きていけない女の哀しさがヴァージニアメイヨによって見事に体現されてたし、面白いのはこの人がこのフィルムノワールのファムファタームでは全然ないってとこ。実は怖いのはボスのおかんであるという。このおかんが激しく狂ってるがゆえに、子息も激しく狂ってる。この、歪んでいるが、お互いを絶望的なほど求め合ってる感じが、キモくて印象に残った。一旦ストーリーすべて頭に入ったので、もっかいそのうち見てみたい。
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