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アビスのRのレビュー・感想・評価

アビス(1989年製作の映画)
4.4
完全版が存在しているということを知らず、公開版を見てしまいましたが、完全版どうやら評判よくなさそうなので、こっち見て正解だったのかな??? と思いつつ、僕がぼんやりとこの映画で記憶していたシーンが出てこなかったので、それは完全版の方なのかな? それとも他の映画とごっちゃになってるのかな? さて、本作ですが、率直な感想は、かなり面白い映画だった! これです。ジェームズキャメロンは名作多いですねー。本作見て思い出したのが、ボク、幼い頃、主演のエド ハリスすごく好きだった時期があったなーと。それはたしか本作とニードフルシングスという映画を見たときだったと記憶している。禿げてるがっちりイケオジ、カッコイイですね~。本作でエドハリスが演じているのは、行方不明になったアメリカ軍の潜水艦を救助するために、政府に要請されて捜索を行うことになった、民間の海底油田採掘会社の採掘工のリーダー、バッド。ちなみに、なぜ潜水艦が行方不明になったかというと、深海で正体不明の動きをする謎の物体をセンサーでキャッチし、当時冷戦中のため、おいおいソ連、なに勝手な動きをしてくれとるねん、とその物体を追いかけて、陸に近づいてきたので、危ないですよ!と警告した子分の言うこと聞かずに、いや、もっと陸に近づくぞ!と上官。で、結局近づきすぎてドーーーーーーン!とぶつかってしまい、沈没。こういうの見ると、本当に、物理的リスクのぎりぎりを明らかに超えるような動きは本当にしてはいけないな、と。多くの人命がかかっているときは特に。恐ろしい判断ミスの結果がどうなるか、とくと見届けました。というわけで、バッド率いるチームが採掘機にて出動になるんやけど、同時に、軍部がSEALSも派遣されることに。いかにも理性的な言い分が通じなさそうな物騒なイケメンたちが同行するとこが分かり、ジーザスって思いつつ、それで終わるかと思いきや、なんと、バッドの別居中の妻、口やかましい勝気な女リンジーがやってくることになっているではないか。この人の口やかましさが半端じゃなくて、イライラが止まらないバッドなのだが、採掘機等を設計したのがリンジーで、技術的知識が豊富なため、常に的を射た発言を、上からビシバシ行っていく。一時、ちくしょーーーー!!! ってブチ切れたバッドは、結婚指輪を外して、便器に投げ込みます。が、何とか思い返して、便器に手を突っ込み、指輪を回収。便器の水がブルーに染まっているため、バッドの腕がブルーに染まってしまう、そのシーンはなぜか幼児期の記憶に深く刻まれていた数少ないシーンのひとつでした。そして、いよいよ、沈没した潜水艦に辿り着き、内部に生き残りがいないかの確認作業に入る彼ら。このシーンはかなり怖いです。水中で死んでしまったクルーがふわーんと浮いてて、ひとりの男が、こんな中に生き残りなんているわけない!とパニックを起こし、酸素吸い込み過ぎてヤバい状態になるので、バッドは彼を残して休ませ、探索に進んでいくのだが、そのとき、ブルーに光る謎の物体が彼らに接近するのです。同じ物体をリンジーも目撃。一体その物体の正体とは……結構さらっとその姿を現してくれるその浮遊体は、透明でエイのような形状をしており、その内部に宇宙人と思しきちっこい存在が確認できる。しかも、そいつらのマザーシップ的な存在ももったいぶることなくその姿を現し、どでかくてわーお! インディペンデンスデイ級とまではいかないが、そのサイズ感には圧倒されます。いったい何者なんでしょうねーワクワク。というのと、彼らと一緒に探索を遂行しているSEALSの指揮を取っているコフィは、潜水艦から何らかの物体を回収。その物体が世にも恐ろしいものであることが後に明らかになり、水圧で精神状態が悪化しゆくコフィは徐々に狂気に暴走し始める……で、そうこうしてたら、海面では天候が一気に悪化、とんでもない嵐が襲い掛かり、ケーブルが切れ、海上と海底は連絡不能状態に陥ってしまう。次々に起こる問題、そして、潜水艦の絶体絶命の危機を彼らはサバイブすることができるのか⁈ という、まぁ息つく暇を与えてくれない演出がすばらしく、ほとんどのシーンは文句なしの面白さ。特に、命を失いつつあるとあるクルーを全身全霊を込めて蘇生させようとするシーンのバッドの演技の素晴らしさには感動🥺 ただ、一点、個人的に不満を述べるとしたら、海底の暗いところを探索機に乗って進んでいくとこだけ、暗すぎてどうなってるのか分かりにくく、ちょっと緊張感が薄れてしまったかな? ただほんまそれくらい。それ以外は堂々たるハリウッド大作の良さがてんこ盛り! インディペンデンスデイとは逆で、本作は人間の楽観性がいいスパイスになってたし、謎の生命体の在り方も、本作の方がぜんぜん説得力あるなって思った。僕的には、やっぱ文明の発展ってのは、生命体の中の善性が自由に発揮できる状況、つまり、自他共の発展への希望がないと無理だと思うんすよね。同じ星に住む者同士で、冷戦みたいなしょうもない争いを起こしてるような生命状態の種には、真の意味での文明なんてのは発展しないでしょう。だって、他者の生命を軽く見れるような生命観の持ち主に、人類全体の生命体としてのレベルを上げるなんて技ができるわけがないのは、ちょっと考えたら誰でも納得するでしょう。人類は、「私利私欲」という浅い次元から、はやく次の段階に行かないといけない。それを非常に強く感じさせる映画でした。マザーシップに突入するときの、2001年宇宙の旅っぽさもよかったなー! で、ちょっと感想文の最初に戻って、幼少期に本作でもっとも印象に残っていたシーン、巨大なtsunamiのシーン……それって完全版にはあるんですかね? それとも僕の勘違いで他の映画なのでしょうか? どなたかご存知の方いらっしたら教えてください。そして、完全版と、公開版、どちらも見た方がいらしたら、完全版を見るべきか否か、ご教授ください。よろしくお願いいたします。
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