白熱の作品情報・感想・評価

「白熱」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

<テンポ良く、今も新鮮な70年前のギャング映画>

驚いたのは、70年前とは思えない捜査能力の高さである。
捜査側が、容疑者の母親の車を尾行する際、三台の車で無線を駆使して入れ替わりながら後を追うシーン。
尾行に気付かれてしまうが、こんな方法があるのかと驚いた。
次に、電波発信機を取り付けた車を追跡する方法で、おおよその範囲から正確な位置を割り出すというやり方。
1キロ以上離れた2台の車で受信機の音を拾い、それぞれの拾った音の方位がクロスする地点が車の位置という。
移動している車で本当に割り出せるのかは疑問だが、理論的には凄いと思う。
テンポが良く、話の展開が巧みで、グイグイ引っ張っていく。
GPSの無い時代によく頑張っていて、技術の進んだ現代よりスピードを感じるというのも面白い。
マザコンで頭痛持ちのギャングというキャラ、それをジェームズ・ギャグニーの怪演で楽しませる、いわゆるフィルム・ノワールの古典で、ギャング映画の名作の味わいがある。
それ程の深みがある訳ではないが、このテンポは心地良く、今もって新鮮である。
※映画のあらすじは『偏愛的映画案内』をご覧ください。
https://henaieiga.net
湖迦

湖迦の感想・評価

4.5
面白い!ラオール・ウォルシュによる大スペクタクル・ギャング映画。
70年前の映画ながら手に汗握る展開の数々に圧倒される。

そしてなによりも、キャグニーによる迫真の演技!囚人が200人以上いる刑務所の食堂で、キャグニーが精神を錯乱させるシーンは圧巻(エキストラは、キャグニーがどのような演技をするか知らされていなかったそう)。
ヒッチコックのエロチックなゆったりと流れる時間が起こすサスペンスと違い、もう息つく間もなくドンドン乾いた暴力的なキス、セリフまわし、カッティングがおぞましいまでに活劇をあらわにしている。終始興奮の2時間
マヒロ

マヒロの感想・評価

4.5
冷徹なサディストでありながら、お母さんにベッタリのマザコン気質というねじれた人間性を持つギャング団のボス・コーディ(ジェームズ・キャグニー)は、大きな犯罪のアリバイ作りのために小さな犯罪の罪を被り服役する作戦を立てる。そんな彼の動向を追うために潜入捜査官ファロン(エドモンド・オブライエン)が刑務所に潜入する…というお話。

ジェームズ・キャグニーは初めて出演映画を観たけど、アーネスト・ボーグナインやジャック・ニコルソンの系譜に連なる顔面とコロコロ変わる表情等の強烈な個性を持っていて、これまた強烈な個性のキャラクターであるコーディという男にピッタリだった。母親のことで取り乱し暴れるシーンや、裏切りに気づき絶望するシーンなど、普段の残虐な印象をガラッと変えるような強烈なインパクトを残す演技が凄まじい。

潜入捜査がバレるかバレないかというサスペンス(奇しくもこの前にみた『ブラッククランズマン』とよく似た設定)や、裏切り者や邪魔者を無慈悲に粛清していくコーディの恐ろしさなど、シンプルながらも犯罪映画としてスリリングで面白い。
生き残るために権力を持つ者に恥も外聞もなく擦り寄るコーディの妻のキャラもなかなか面白くて、ついさっきまで一緒にいた人をいとも簡単に裏切る鮮やかな手のひら返しっぷりは最早胸のすくものすらある。初登場シーンでもグースカいびきをかいて寝ているし、ほんの一ミリも飾らないのが好感持てるなぁ。近くにはいて欲しくないタイプだが。

最終的に、吹っ切れて完全に狂人と化すコーディがまた凄くて、仲間からすら何だこいつみたいな目で見られる中、辺り構わず銃をぶっ放す姿は破滅的な格好良さがあった。ラストシーンのキレの良さも最高。ストーリーというよりはキャラクターの良さの勝利という感じだけど、大満足の一本だった。

(2019.49)
tm

tmの感想・評価

3.5
70年前の作品なんだけど、今観ても面白い‼️ まずテンポが良い。(展開が早く、だれてないのにはビックリ👀)
キャグニーも良い俳優だし、ギャング(犯罪)映画の名作だねぇ~。(^.^)
yoichiro

yoichiroの感想・評価

4.5
2月21日 DVDで観賞
ギャング映画スター、ジェームス・キャグニーがサイコなギャングを演じた、フィルム・ノワールの傑作。
主人公のギャングの、マザコンで粗暴ながらも信じた仲間には惚れ込む複雑なキャラクターを、キャグニーがそのキャラクターを存分に出して演じきっている。この強烈なキャラクターとその一味の中の人間関係、そして一味に潜入した覆面捜査官を並行して描いていく濃密なドラマを一気呵成に見せていく。汚れ演技を見せる情婦のヴァージニア・メイヨ、息子を支配する母親役のマーガレット・ウィンチェリーなど脇役も存在感があり、全編目を離せない。
警官隊に包囲されて、「やったぜ、母ちゃん!天下取ったぞ!」と叫びながら、ガスタンクを撃って爆発させる鮮烈なラストも脳裏に焼きつく名シーン。
奇特な俳優キャグニーと一切無駄のない編集に優れた脚本と忘れられないラストシーン、オレの知る限り最高のギャング映画だ。
再見。母親を殺したスティーブ・コクランを殺しにくるキャグニーのシークエンスがヤバすぎ!!後ろを向いたらキャグニーが立ってるのを知ってしばらく硬直しちゃうのが最高に怖い。
同業者からも怪物扱いされる規格外の「悪」。

ムショ上がりの運転手がやけに印象的。運転手が車に近づくのと同タイミングでエドモンド・オブライエンが車内に入るシーンの呼吸の良さったら無い。
ジェニファーローレンスってヴァージニアメイヨの系譜だったんだな。
ジェームズ・キャグニー、怪演、熱演。素晴らしい。極悪非道のギャングだがマザコン。一味の中での疑心暗鬼、裏切り、制裁…。練りに練ったストーリーは実にスリリングで目が離せない。これで1949年公開とは。古いのにすごいスピード感、劇画的。
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