Narmy

ジェーン・エアのNarmyのレビュー・感想・評価

ジェーン・エア(2011年製作の映画)
3.5
オープニング、扉を開き、明るい世界へ飛び立つのかと思ったら予想は外れ、何かから逃げていたジェーン・エア。
広大な自然の中を急ぎ歩き、彷徨い、時には倒れ込み、時には自然に襲われながら一軒の家に辿り着く、、、

全く内容を把握していない状態で観始めたのがよかったのか、ミステリー感が増し、一瞬でこの薄暗く陰鬱な世界に釘付けになった。
途中、ホラーかと思ってしまうような心臓に悪いシーンが、イギリスの質素だけど凝っている建物や衣服とあいまって余計に怖いんだけどやっぱりそれも美しい。
響く声をききながら、蝋燭や暖炉の灯をじっと見ているとこの世界に呑み込まれてしまいそう。

ジェーンが何から逃げているのか、何に怯えているのか、過去を回想しながら紐解いていくんだけど、その過程でも謎が、、
読んだことはないけど原作はきっと面白いんだろうな、多くのエピソードがえがかれていてその一つ一つはとてもインパクトがあるのに、流れはぶつ切りであっさり次に進んでいってしまう感じなので大分端折られたのかなという印象。

大人になったジェーンは笑顔もほとんどなく、終始暗い影をただよわせている。
その表情は時代背景にも幻想的な映像にもよくあっていて絵にはなるんだけど、心の動きが伝わりにくくて、え?今そんな気持ちだったの?いつの間に?と後から気付くという感じ。
特に愛しはじめるところ、抑えた気持ちが解き放たれるところは心境の変化が急で驚く。
表情には出さず心の中で葛藤しているということなのかな。
あと、子供の頃のジェーンと大人になったジェーンとのイメージがわたしの中では重ならず、別人をみてるようだった。
芯の強さが違う方向へむいていたような、、

世界観はとても好きだったんだけど、ストーリーも過去が現在に追いついたあたりが最高潮でその後の畳み掛けるような展開についていけなかった~💦
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