ナツミオ

戦場のナツミオのレビュー・感想・評価

戦場(1949年製作の映画)
4.0
AMAZON PRIME鑑賞

第二次世界大戦下の欧州戦線・バルジの戦いで独軍に包囲された街を死守する兵士達の戦場での反応や抱える問題を描いた群像劇。
『バルジ大作戦』とは違うリアルな戦場描写の名作。

戦後の日本で初めて公開されたアメリカの戦争映画。

アカデミー賞6部門 作品・助演男優(ホイットモア)・監督・脚本・撮影・編集賞ノミネート。
脚本・撮影(白黒)賞受賞。
ゴールデングローブ賞助演男優(ホイットモア)・脚本賞受賞。

1949年米MGM作品モノクロ
監督 ウィリアム・A・ウェルマン
脚本 ロバート・ピロッシュ
撮影 ポール・C・ボーゲル
出演 ヴァン・ジョンソン ジョン・ホディアク リカルド・モンタルバン ジョージ・マーフィ ジェームズ・ホイットモア

(アマプラ作品内容より)
第二次世界大戦下の1944年12月ペルギー・アルデンヌの森で開始された独軍の一大攻勢。
「バルジの戦い」
敵味方の判断さえつかない濃霧が覆い、ドイツ軍の捨て身の猛攻に遭う米陸軍第101空挺師団。
ホリーの分隊もフランスの駐屯地でクリスマス休暇を心待ちにしていたある夜、突如発せられた進軍前進命令でベルギーのバストーニュという街へ到着し戦闘を開始する。
そして街は独軍に完全に包囲され、悪天候で空からの援護や空輸も無く、医療品、食料、弾薬、燃料も底をつく。
豪雪の中、空腹を満たす事も出来ず戦わなければならない使命感、焦燥感そして孤独。皆が待ち望む霧は晴れるのか・・・

世界大戦終結後、4年後に製作され史実の戦闘を描いている。
ドイツ軍は、交通の要所バストーニュを陥落させ港町アントワープまで進撃することが目的。
バルジの戦いで、総崩れとなった米軍の救援に派遣された米陸軍第101空挺師団のある小隊の兵士達。

フランスでの行進訓練、赴任したての補充兵、パリへ2時間の休暇を心待ちにする兵士や扶養除隊を心待ちにする兵士、負傷から復帰した兵士など各兵士のエピソードや、バストーニュの町の子供達や女性とのエピソードなどもよく描かれている。
補充兵が小隊に徐々に馴染んでくる描写も良い。
タバコも吸えない彼が後半、バストーニュの女性宅で寛ぐ描写に笑う。
町の郊外の森に陣地を構えてからは、地味な戦場描写。
寒さ、砲撃、偵察での米兵に化けた独軍部隊との遭遇、仲間の死や物資不足など、リアルな戦場描写。派手なアクション・シーンは殆ど無い。

最後に救援物資が着き、町から撤退時は疲労困憊のくたびれた小隊が交代の部隊の行軍が見えた途端に上官の号令で足取りがキビキビと変わり、オープニングの場面に被る演出が憎い。

TVシリーズ『バンド・オブ・ブラザーズ』(2001年)の「バストーニュ」のエピソードは本作品をかなり参考にしていると感じた名作でした。
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