ミーハー女子大生

いま、会いにゆきますのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

いま、会いにゆきます(2004年製作の映画)
2.5
最近の日本映画、感動系がやたら流行っている。
もちろんそういう映画は大好きなのだが、 あざとい演出や、チープな脚本ばかりが目立つ。
この映画もまたしかりだった。

映像は美しい。
役者の演技も、思っていた以上にうまかった。
"死んだ妻が生き返った?" という設定も、この物語の核になっているのだから問題ない。 後は無茶な設定にどこまでリアリティーを付加させることができるのか。
当然脚本にすべてがかかっており、 そこが感動するかしないかの分かれ目となる。

だがラストの種明かしで、不覚にも爆笑してしまったのである。
ある意味、凄いどんでん返しである。
細かい矛盾点はどうでもいい。 最大の問題は、夫なら死んだ妻が姿を現した時点で 「あれ、ちょっとおかしいな?」 と絶対に気づくはずなのである。

ネタばらしになってしまうので詳しくは書けないが、 子供ならともかく、 毎日妻と顔をつき合わせていた夫がわからないはずがない。
「嘘だぁ~!」と思わず爆笑してしまった瞬間、 感動に導くためのこれまでの演出も、 オセロの白玉が全て黒玉に変わるように、この映画の印象をまったく違うものに変えてしまった。
ギャグ色が強ければそれほど気にはならなかったのかもしれない。
だがシリアスな展開だったため、そのギャップも大きかったのである。

制作者側は、この大きな矛盾点に気がつかなかったのだろうか。
それとも妻に瓜二つの赤の他人なんだよ、と 最後まで引っ張るつもりだったのだろうか。 (それも無茶だが)

行き当たりばったりの何とも安っぽい脚本だ。
中身のない人間に高級な服を着飾らせて、 「格好いい」「かわいい」と言わせてるようなもの。
"見かけ良ければすべて良し" と言ったところだろうか。
そんな印象の映画だった。

ストーリー 2
演出 3
音楽 2
印象 3
独創性 2
関心度 3
総合 2.5