物語らしい展開はあまりなくて、監督が投影したであろう主人公の子供時代の記憶、母親の記憶、時代の記憶が重なります。
そこに今の時間や、主人公の妻や子供の描写も入ってくるため若干わかりにくくもあり、それがタイトルにある「鏡」ということかと思いました。
主人公は亡霊のように家の中を漂い、タルコフスキーの詩人だった父親の詩が朗読されます。
子供時代、特に幼い頃の記憶ってどうしてこう、嫌なことやショックなことばかり残っているんでしょうね。
すごく幸せだったことってあんまり記憶に残らない気がします。
それらを浄化させたいような清めるためだけにある、そんな作品でした。