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居酒屋兆治のぉゅのレビュー・感想・評価

居酒屋兆治(1983年製作の映画)
3.5
2020年 鑑賞
山口瞳先生の小説を原作に、「鉄道員 ぽっぽや」「駅 STATION」等の降旗康男監督が、舞台を函館に移して映画化した作品。撮影は木村大作さん。

函館で居酒屋「兆治」を営む藤野英治(高倉健さん)輝くような青春を送り、挫折と再生を経て現在に至っているが...

私個人的に艶っぽく感じる大原麗子さん。「男はつらいよ」とは違った顔... 炎を背にした時の大原さんの顔といったら...

高倉健さん、田中邦衛さん、加藤登紀子さん、平田満さんたちの紡ぐ、重厚で染みる物語。凄く不器用な男女(にんげん)たちの友情や愛情の中で、踠き苦しみながら、それでも一歩ずつ、少しずつ前に進んでいく、そんな物語...
大原さんの内に秘める狂気さ、ねちっこさ。あの時... というものに取り憑かれている感じとか、伊丹十三さんの嫌らしいオーラが漂い、酔いに任せた瞬間湯沸し器のような性格。そこに小松政夫さんのコメディさ(だけでないけど)や、大滝秀治さん、東野英治郎さんのような一味が加わって、とてつもなく染みる物語となった...

小林稔侍さん演じる警察が、英治がさよと共謀して神谷の財産を狙って放火したのではないかという妄想というか、疑いがあって、そういう雰囲気が...

映画「キングコング」、檻に入れられて、見世物にされる... そう呟く彼女は、絶望を感じていた?血を吐き出し、あれを握りしめて...

何か報われるないような、静かな怒り、痛みを感じた!それでも一日、一日と続いていく...

1255(20-392)
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