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アギーレ/神の怒りのtransfilmのレビュー・感想・評価

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)
4.2
この映画サイトでレビューを見かけるまではこの映画の存在を知りませんでした。
クラウス・キンスキーはナスターシャ・キンスキーのお父さんということだけで名前だけ知っていたけど、この人が目立った映画を観るのはこの作品が初めてです。
第一印象は、、絶対に善良な役は似合わない人だと思う。

映画の舞台は、1560年の南米大陸。
スペインがインカ帝国を滅ぼし,
伝説の都市エル・ドラドを見つけるために探検隊が派遣される。しかし派遣された探検隊はそのまま行方不明になってしまう。
冒頭のテロップにも出てくるけど、この歴史はわずかな記録しか残っておらず、真実はかなり曖昧なものだと思う。

この映画のように、はるか昔の、しかも不明確な歴史を掘り起こすことはそれ自体がなんとなく神秘がかってると思う。
この映画は冒頭から最後までとにかく神秘的な雰囲気の作品で、映画の内容にとてもマッチしていたと思います。冒頭数分を観てこれは好きそうと感じました。
映像の撮りかたはなかなか個性的で、ちょっとドキュメンタリー映画っぽいなと思いました。

個人的に、アギーレと、隊長夫人イネスの行動は、
この時代にしか存在しなかった信仰心によるものだと思った。
この時代は、少なくとも今よりは絶対に神の存在が身近であったはずで、今現在だとアギーレのような心情になるのは無理だと思う。

逆に、この映画のストーリーを伝える修道士カルバハルは
割とご都合主義的な人に見えて、一番現代的な信仰心の持ち主に観えました。

意味深な部分もあるけど、難解な映画ではないと思う。
ただ、自分自身で内容をまとめるときに、要点がみつけにくい映画だと思った。

とにかく雰囲気が良い映画でした。
面白かったです。

*完全に余談ですけど、この映画のレビューを書くときにクラウス・キンスキーを少し調べてみたんですが、・・ナスターシャ・キンスキーってじつはすごくつらい子供時代を送ってきた女優なのかな。と感じてしまった。ロマン・ポランスキーもそうだったという噂だし・・。
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