原作者である平山夢明の”実話怪談”系じゃなく「東京伝説シリーズ」の幽霊が登場しない恐怖譚、つまりは”壊れた人間の狂気が最もおぞましい”を映像化した作品なんですが、東京伝説シリーズからエピソードをいくつか抜粋しての構成じゃないのが誠に残念な内容です。

原作の「東京伝説シリーズ」ファンの方がご覧になられると嫌悪感が半端ない、原作で描かれる人間の狂気が観る者に巧く伝わってこない演出に唖然とされるかもしれません。
まぁ、原作はあくまで原作であって映画とは別物なので内容を改変する事自体は全然ＯＫなんですけど、果たして本作で人間の狂気を感じて背筋がゾクゾクっとされる方がいらっしゃるのかどうか・・・。

また、個人的にはオカルト系のホラーじゃなくても何故に”夜””暗闇””影”等を使わないのかも疑問なんですよね。
狂気を帯びた人間の凶行が全て明るい場所って、何の不気味さも感じさせません。
その辺り、撮影期間の問題もあったんでしょうが、ホラー演出上は要れて欲しかったですね。

人間に潜む狂気をオチで全部見せない事で観客に想像を膨らませて恐怖させる演出が面白い、ＴＶで放映された『トリハダ』シリーズのような演出がお好きな方もスルーが宜しいんじゃないかと。

と、どうしても原作本のタイトルから勝手に脳内映像を創り上げてしまい、ハードルが勝手に上がってしまう可哀想な作品かもしれません。
ちなみに最近落語家と結婚された国分佐智子さんは本作でも相変わらずおきれいなのが何とも勿体ない(￣Γ￣)

これはともかく原作の平山夢明先生は大好きです！

ストーカーの話。ただそれだけ。
なんか無理にホラーぽくしてる感じ。
女優さん大変でしょうけど。