ピッツア橋本

空の大怪獣 ラドンのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)
4.4
"元祖ソニックブーム!"

北九州の炭鉱が舞台。そこで起きる謎の殺人事件をきっかけに、実は阿蘇山の炭鉱の奥底に眠っていたヤゴ系の生命体やプテラノドン型怪獣ラドンの存在に気づく。そして、奴らと人類の存亡をかけた戦略バトルが始まるSF怪獣アクション。56年製作。

まず炭鉱という土着性から、空飛ぶ大怪獣ラドンというギャップが良い。
阿蘇山の地殻変動、あるいは核実験による環境変化が原因で古代獣であるはずの奴らが出てきてしまう。

全編82分で、ラドン登場を区切りにキレイに前半後半が別れる。メリハリがついてる。

これは怪獣映画だ!という固定観念抜きで観たら、前半は割と興味深いローカルサスペンスに仕上がっていて、その犯人が出てきたときに驚く。
あの何とも不気味な電波的な鳴き声が耳に焼き付く。

前半は炭石たっぷりのトロッコを怪獣にぶつけるシーン、後半はラドンと飛行機の空中バトルシーンが心くすぐった。

ラドンのソニックブーム、超音速攻撃の数々も怪獣の重厚感を残しながらスケールのデカい壊滅ぶりを見せてくれる。良き怪獣だ笑!

ラストのラドン壊滅作戦は発想が何気にハリウッド的というか、スケール大きくて良かった。
ラドンの散り際が鳳凰のような、炎立つ儚さ、"終"のテロップの入れどころがベスト。

映画友達が「炭鉱が出てくる映画は名作が多い!」と言っていたがまさか怪獣映画まで当てはまるとは笑!

多分、怪獣好きじゃなくても楽しめる良い脚本の映画だったと思います。
ピッツア橋本

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