むくむく

さらば、わが愛 覇王別姫のむくむくのネタバレレビュー・内容・結末

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

レスリーに入れあげている時にフッカツ上映で奇跡的に映画館で観賞できた。
女形として名をはせた主人公と、その相手役、その恋人(妻)三人の愛憎と、彼らを翻弄した時代の話。
レスリーはカミングアウト前で記者会見では「男性を愛することについては監督に教えていただきました」と美しい流し目かまして会場の笑いを誘っていた。その姿は「スーパースター」で蝶衣の影は微塵もなかった。映画の前後にこの記者会見見ると違和感に悩まされる。

最初レンタルで見たときは重さに押し潰されたが、劇場で見たときは物語がスムーズに入ってきた。
一番の悲劇は蝶衣が京劇の外では生きられなかったこと。
彼ー彼女は舞台と現実とが切り離せず、相手役への執着を愛情にすり替えてしまった。
むしろコン・リーと解り合える面があったと思う。
共感にはなり得なかったが…

ラストは見る者に判断を委ねる形。
あのまま蝶衣は散っていたほうが幸せかもしれない。