みみみ

ヴィレッジのみみみのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィレッジ(2004年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

この村には、
越えてはならない掟がある
越えてはならない境界がある

【あらすじ】
ルシウスが生まれ育った村には、とある掟があった。それは「"境界"を越えてはならない」ということ。それは昔からこの村で固く守られてきた掟であり、何人たりとも決して破ってはならないものであった。
ある日、村の盲目の娘であるアイヴィーと結婚を決めたルシウスであったが、2人の結婚を知った、アイヴィーのことを好いていたノアにナイフで滅多刺しにされてしまう。なんとか一命はとりとめたルシウスであったが、感染症により命の危機に瀕することになる。村の外に薬を買いに行けばルシウスを救うことができる、と知ったアイヴィーは父に村の掟を破り、薬を買いに行かせてくれと頼むとこにする、、、

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いやはや、流石シャマラン監督、"奇妙"を描くのが上手すぎる。

作品の途中までは「秘密がたくさんある村から出られないようにしてるってことは、なんか大人の策略があるんだろうな、ほら、やっぱり怪物も作り話だったし・・・」みたいな印象で、このまま退屈な終わり方するのかなって思ったのが正直な感想だった。ウォーカーパパが「愛の力はすごい」とか言い出した時も、「あぁ、結局アイヴィーが薬持って帰ってハッピーエンドなのね」って残念な印象を持ってた。

でもやっぱりラストにかけてちゃんと裏切ってくれる、流石のシャマラン監督。
アイヴィーが保護区のセキュリティーの車に出会った時に退屈が吹き飛んで何かがカチッとハマった感覚があった。

村の人々が何代もの間、村の外の人から見つからなかったこと
村の人が村から出たいと言ったら必ず止められるのに、ウォーカーパパや他の秘密を知る大人がアイヴィーのことを止めなかったこと
アイヴィーパパが町の人には村の話をするなと言ったこと

そういった全ての伏線があのカットでバチっとハマる。しかもその伏線を匂わせていなかったのに、あそこでバッチリはめてくる。流石っす、、、
“奇妙”を単なる奇妙で終わらせず、平凡な着地もさせない、シャマラン監督、流石としか言いようがないっす、、、


村に様々な秘密があり、秘密を知っている人は村の人を外へ出さないようにしているって設定・世界観を把握した時点では「ミッドサマーに近い作品かな?」って思わされたけど、終わってみたら全然違った
ミッドサマーは奇妙さに振り切って、その奇妙だけで突っ走っていたような印象があったけど(実際奇妙と感じたけど結局なんだったの?って思ったし・・・)、この作品は“奇妙”をちゃんと解いてくれていた。確かに設定はぶっ飛んでるんだけど、「確かに世界のどこかであるかもしれない」と思わせてくれる。

本当にシャマラン監督は“奇妙”の解き方が上手いと思う。
素直に僕の好みなだけかもしれないけど。
みみみ

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