1897年のフィラデルフィアのとある村で、森に入ってはいけないという掟が破られた。
そのことで、村は恐怖の舞台へ変わっていく・・・。
インド出身のカリスマ、驚きのイリュージョニスト、M・ナイト・シャマラン監督の作品。
人の弱さ、愛情、嫉妬、そういった感情と、守らなければならない掟や村という集落、人間関係をうまく交差させた作品。
基本的に地味ーな映画だと思います。
地味ながらも秀作でした。
最初の方でちょっと眠気が出ましたが、中盤以降はテンポの良い展開で楽しめました。
『シックス・センス』のネタについてはうかつにも最後までわからなかった私ですが、今回のネタは予告編を見たときから、「まさか、こうじゃないだろうな」と、思ったそのままだった。
最後の衝撃!!とかを謳い文句にして、そればかり期待してしまう見方はとても残念な鑑賞方法なんじゃないのかなと思う。
しかし、さすがM.ナイト・シャマラン。
伏線の絶妙な配置による彼らしい映画でした。
『シックス・センス』ほど出しゃばらず、物語を支配するほどではないけれど、ポイントポイントでエッセンスとして効いてきます。
シャマラン監督がテレビのインタビューで、「日本人には分かってもらえる映画なんじゃないかと思う」というコメントをしていたけど、それは納得。
村の閉鎖性とか、色に意味を持たせているところとか、通じるところがある感じ。
とにかく、確かにラストのドンデンは書けませんね。
一言でこの映画がおじゃんです。
森に住む「彼ら(Don't Speaker)」との和解は崩れ去った・・・
この作品の底流に流れるものは、実に深い愛です。
現代社会へのアンチテーゼと共に、素直な愛を表現しています。
人間の強さはどこに現れるのか。
逆に、葛藤。
単なる恐い話でなく、人間の心理とか、精神の強さや、冷静な観察力、勇気などが問われる。
なんといっても、今回が本格的な映画出演は初めてという、ブライス・ダラス・ハワードがキーパーソンでした。
盲目でも勇敢で純粋なヒロインを好演。
実はロン・ハワード監督の愛娘で、どうしても七光り的な注目が集まりそうですが、ハマリ役ではなかったでしょうか?
作品中何度もヒロインが涙を零すシーンがありますが、ここ最近見た泣き顔の中で一番キュートで清楚だった。
病を背負った身でありながら愛を信じ、それだけを胸に抱き、1人突き進む。
その健気な姿に心打たれる人も多いはず。
私もこんな娘と結婚したい( 〃▽〃)
また、身障者が登場し、演じているのは『戦場のピアニスト』でアカデミー賞を受賞したエイドリアン・ブロディである。
この人の演技力、本物である。
うまい。
私が絶賛しすぎだろうか。
最後の方の顔がマジで切ない…。
脇役のウィリアム・ハート、シガニー・ウィーバーも良かった。
あと、ヒラリー・ハーンの奏でる哀切極まりないヴァイオリンの音色も、この映画に寂寥感と悠久感、重厚さを与えているもう一つの主役でした。
ただこの作品は、後半が「赤ずきんちゃん」とかみたいな少女の冒険になっているのですが、特に成長するだとかはなく、謎がひとつ解決するだけのくだりにしてはちょっと間延びしたのが残念かな。
というか一番言えることは、盲目の娘に冒険させてないで
お 前 が 行 け よ