コーカサス

恐るべき親達のコーカサスのレビュー・感想・評価

恐るべき親達(1948年製作の映画)
3.7
“恐るべき母性”
溺愛する一人息子に恋人がいる事を知り逆上する母親、しかもその息子の恋人は父親の愛人だった。
純真で無邪気過ぎる息子と、その息子を異常なまでの母性で溺愛する母との関係が悲劇へ向かう。
登場人物は僅か5人、コクトー自らが映画化した室内劇。

「大衆は誤解によってのみ詩人を愛せるのだ」コクトーはそう云うが、私は彼の絵をピカソの絵と並べて飾っている。
また彼がカルティエに作らせた3連リングは誰もが知る逸品であり、本作を含め彼の残した功績や芸術を知ると、我々のコクトーへの愛は決して誤解だけではない事に気付かされる。

155 2019 #362/2005