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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のhitomaのレビュー・感想・評価

4.2
「ヤマト」「ガンダム」に続く、第三次アニメ革命を引き起こしたエヴァンゲリオンのリビルド(再構築)作品。それまでのSFロボットアニメーションとは一線を画す、現代社会の延長とも言える世界観に、宗教色や神話性を全面に押し出した謎多き設定。勇者でもスーパーヒーローでも無い草食系主人公とその内面を掘り下げていく物語。かと思えばその内面の変化が一気に世界の命運に直結していくセカイ系ストーリー。目的や大義やイデオロギーが明示されないまま繰り返される謎の敵との戦闘。動くことさえままならなず暴走を繰り返す脆弱かつ不安定なロボットなどなど、このシリーズが先鞭をつけた要素が余りに多い事を改めて感じる。結果的にこの作品以後のロボットアニメ、SFアニメは今日に至るまで意識の有無に関わらずエヴァンゲリオンの影響を受け続けている。

オリジナルテレビ版と比較すると、街の造形や工場、変電設備関係などは、恐らくトレースが多用され、システム、モニター関連のデザインも美しく洗練された。物語の山場となる。ヤシマ作戦は、作戦準備にかかるオペレーターの台詞一つ一つも丁寧に作り込まれていて、SFが好きな人であれば胸が熱くなる展開なのは間違いない。続く破やQはどんどん作家性の強い展開になっていくので、単純に熱いSFロボットアニメが観たければこの序が最適だろう。
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