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大学は出たけれどのzhenli13のレビュー・感想・評価

大学は出たけれど(1929年製作の映画)
3.5
『東京の合唱』『一人息子』の係累である就職浪人物語は田中絹代が大変可憐で好い。昼日中少年たちと野球して遊んだりロイドのポスターが貼られた部屋でウダウダ煙草吸ってる「サンデー毎日」高田稔に「就活せえよ」と突っ込みたくなるし糊口を凌ぐためカフヱーでひそかに働く田中絹代に張り手する了見に飛び蹴りしたくなるが、最後はめでたし。尺が断片のぶん省略された起承転結は、さっと投げられたソフト帽がきれいに収まるくらい、田中絹代の笑顔の先にある明るく高い空くらい、心地好い。
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