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家族の肖像のmajiziのレビュー・感想・評価

家族の肖像(1974年製作の映画)
3.5
序盤、教授の家がのっとられるのかとハラハラしていたがそうではなく、もっと厄介な家族がやって来る物語。

あらすじは…
ローマの豪邸にひとり静かに家族の肖像画に囲まれて暮らす老教授。そこへブルモンティ夫人とその愛人、夫人の娘らが転がり込んでくる。当初は平穏な生活を阻害されたと感じた老教授だったが、次第に彼らに興味を抱き始める。

明らかに世代も文化も嗜好も異なるはずなのに、彼らの身勝手さに振り回されつつも人との関わりを思い出し孤独な生活に何かを見出す教授。

彼らの生き方を肯定も迎合もするわけではないけれど、なんとなく触発されてしまう魅力があって特に夫人の愛人をしている左翼活動家コンラッドのことは息子のように感じ始める。


ヴィスコンティが描く耽美で豪奢な世界だけれども、それだけではない急速に変化する社会と死生観の関係性が垣間見える作品。

全裸登場は必須科目状態。
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