よねっきー

007/慰めの報酬のよねっきーのレビュー・感想・評価

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)
4.4
ストーリーは平坦だけど、個人的には前作カジノロワイヤルより全然好きでした。おれはカジノロワイヤルの「一件落着かと思ったらまだでした」みたいな肉付けが無駄に尺食ってる感じがしてウザかったので、もうこれくらいスリムな構成でトントン進んでいく方が観てて気持ちが良い。下手にシリアスにしようとしたり、複雑にしたりしようとするの、最近の映画のよくないとこだぜ。エンタメはこれでいいよ。

あんまみんな言及してないけど、アクションシーンの演出がめちゃくちゃ良い。初っ端カーチェイスの細かすぎるカット割は何やってるかよく分かんないので減点だけど、ガラス突き破って落ちてく2人をそのまま追いかけるカメラワークは素直に感心しちゃった。立体的なロケーションを利用した追いかけっこはちゃんとアクションの中にストーリーがあった。

ボンドガールとの絡みが少ないのもこの作品の評価が芳しくない理由の一つだと思うけど、二人の共通点だった「復讐」を成し遂げて、「炎」というトラウマに包まれて身動きの取れない彼女を、ボンドが抱き寄せて落ち着かせてやるってシーンは、それだけで薄っぺらなベッドシーンよりも数倍エロい気が致します。誰でもすぐ抱くしすぐ殺すけど、あの子には手を出さないってのが、彼の色気じゃないでしょうか。
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