えむ

007/慰めの報酬のえむのレビュー・感想・評価

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)
3.7
007ダニエルボンド観直しキャンペーンの一環で。

このシリーズは1話完結で、どこからでもできる初見で楽しめるようになってるけど、これだけは前作カジノ・ロワイヤルの完全続編です。
単体でももちろん観れるけど、前作観てないと何であんなにボンドがやさぐれてるのか、登場人物の関係性とかもイマイチ分かりづらいので、必ずセットで観て貰いたい。

前作で愛し、裏切られ、失ったヴェスパーの復讐心に満ちて、もはや諜報部員というより、傷つき自暴自棄になった男の物語でもありますね。
(復讐鬼になってるので、冒頭から目立つとこで一般人もドカドカ巻き込まれて撃たれたりしてて、これじゃMI6の信用ガタ落ちじゃんね…)

オペラ『トスカ』の会場で相手を転落死(オペララストでトスカが自ら転落死するラストは有名)とか、きっと良く見たらあちこち小ネタはあるんだろうけど、他のシリーズみたいにスカッとする感じは今回はなくて、全般通して哀愁帯びた切なさが流れてます。

あと、え、石油でなくて水?って話も皆さんおっしゃるけど、現代の水資源問題ってだけじゃなくて、作為的にせき止められていた水=ボンドの涙や感情、が流れ出す物語、ってことでもあるのかな?なんて思ったり。

シリーズでは決して評価高くないみたいだけど、傷ついたボンドを諭しながらも、結局最後には信頼してると言い切れるジュディ・デンチのMは大好きなので、個人的にはそれだけで加点です 笑
えむ

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