もた福まんじゅう

復讐するは我にありのもた福まんじゅうのネタバレレビュー・内容・結末

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今村昌平監督の1979年の連続殺人犯の逃亡劇。主人公の榎木巌は五島列島の生まれで代々カトリック教徒。父も母も厳格なカトリック教徒だが、父親は特に厳しい。
自分もカトリック教徒なのだがそんな事を知らずにとりあえず昔の映画見ようかなぁと思って観ただけだったんだけど。勉強になりました。
主人公 榎木巌は、清廉潔白な父親が誘惑に落ちて地獄に落ちるのを観たかった。だけど父親はギリギリのところで理性を保つ。父親に対するコンプレックスが強い。
キリストに対する執着もあるようで終始十字架のペンダントを付けている。
ゲーテのファウストの様な、ヘルマン•ヘッセのシッダールタや聖書の放蕩息子の話の様だけど、主人公は5人も人殺しをし、しかも躊躇なく後始末をつけていく。
人殺しに使うので安い包丁を買うのやら人を垂らしこむのが上手いのやら、正真正銘のサイコパスだと思った。
死刑台に立つ時もおそらく普段通りの朝を迎えて恐れもなく立ったんだろうな。
今村昌平監督の映画はうなぎしか見た事なかったけど、やっぱりこれも結構な濡れ場のシーンが多いな。だけど当時の役者さんのなんと色っぽくて艶っぽい事か。
これは今のちと子供っぽい感じの俳優さん達にはとても醸し出せない色気だね。
最近の俳優さんは顔やスタイルは本当に綺麗になったと思うけど、俳優さんってそれだけじゃダメなんだなと改めて気付きました。
最近はちょっと前までは脇役として良い演技してた俳優さん達が主役になったりしているのを見ると顔の良し悪しじゃなくなってきてる事に、十人並みの下の容姿の自分としては安心感と親近感を覚える。
昔の俳優さんも今見るとそうだったんじゃないかなと思う。皆んなが綺麗でおんなじ様な顔じゃインスタントラーメンばっかり食べてるみたいで飽きてきちゃうんでね。
映画の感想から話が脱線しましたが、めちゃ面白かったです。こんな人に出会わない人生でありますように。
やっぱり北九州こわ。