梅田

王女メディアの梅田のレビュー・感想・評価

王女メディア(1969年製作の映画)
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タイトルバックの夕陽とその直後の半笑いの子供の表情だけで、パゾリーニの映画を観ているという充実感がやばい。20世紀最高のディーヴァ、マリア・カラスを主演に迎えながら、彼女が歌うシーンはどこにもない(絶叫ならある)。代わりに、日本や中東の音楽がエキゾチシズム的に使われるギリシャ悲劇。
弟の殺りくのシーンはあまりに淡々としてるし、子殺しのシーンの静けさも尋常じゃない。一瞬だけ映る短剣の恐ろしさ。
花嫁に自分の昔のドレスを贈るシーンがほとんど同じように2回繰り返されるところ、軽く寝ながら観ていたのでよくわからなくなってしまったんだけど、1回目は夢だったということでいいんだろうか…?
梅田

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