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ICHIのBaadのレビュー・感想・評価

ICHI(2008年製作の映画)
3.7
綾瀬はるかさんがきれいで、窪塚君と獅童さんは役にはまっていて、久しぶりに見た、道案内役の子どもの父親を演じた利重剛さんの演技が、人間味があってすごく良かったな、とか、大沢さんの刀を抜けない浪人の太刀を抜こうとするときの仕草はちょっと変だけれどまあこんなものか・・・とかいうことで、結構楽しんでみることが出来ました。

デジタル撮影に耐える肌のきれいな美男美女を集めての時代劇の様に思いましたので、正統派のリアリズムはハナから期待していません。

はるかちゃんが最初のころに纏っていたボロ、あれ多分、宿場で三味線を弾くときに着ていた紋付のはおりと色無地よりお金かかってますよね?
多分衣装さんの手作りでしょうが、どうやって染めたんでしょう、芸術品。

余談ながら、窪塚さんの言葉遣いは、今時の若者言葉という説があるみたいですが、違うと思います。昔からの関東弁のバリエーションの一つですね。うちの親戚の男性たちも無礼講ではあんなしゃべり方でした、大正生まれあたりからあんな風なしゃべり方をする人はいたので、若者言葉ではないと思います。
私にはむしろ、一番時代劇らしい台詞まわしに聞こえてちょっと面白かったんですが・・・

演技力はともかく、窪塚さんは、立ち姿といい、骨格といい本当にきれいですね。

宿場の旅芸人の舞台とか、なんだか昔懐かしい風俗が随分と見られ楽しかったのですが、悲しいかな、本格的な時代劇はあまり見ないので本筋のストーリーではない部分がよくわからず気になってしまいました。

宿場を取り仕切っている白河組のやくざさんたちが刀を持っているみたいだけれど、あれは変じゃないのか、とか、やくざと獅童さんの率いる盗賊の集団との違いとか・・・はなれ瞽女となった「いち」の立ち位置よりわかりにくくてちょっと戸惑いました。

まあ、でも、伝統的な時代劇そのものが、必ずしもリアリズムではないので、これはこれとしてありじゃないかと思います。

大切な人を失って成長したICHIと寅次の、それぞれのその後を見たいと思います。

(2010/5/17記)
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