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ドッグヴィルのKtoのレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
4.7
面白い。
まるで舞台演劇の様な床の上に白いボーダーラインを引くだけという斬新なセットは、この映画の主題となる「道徳や倫理観を信じ、説くことの無意味さ」を生々しく描き切るのに向いている。

ボーダーラインと”コマとしての人物”は2Dのみで存在し、3Dで見られるものは人物と彼等のやりとりのみ。

余計な背景や装飾が一切排除された画面とナレーションが、DOG VILLEの住人達の態度の残酷な移り変わりをまるで子供に童話を読み聞かせるかの様に淡々と描写する。

とにかく、この映画は”斬新なセット”ばかりが取り上げられがちな作品なんだけど、それだけでなく内容の重さと綿密に練られたプロットの質の高さが圧倒的なので凄い…。
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