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恐竜・怪鳥の伝説のblacknessfallのレビュー・感想・評価

恐竜・怪鳥の伝説(1977年製作の映画)
2.2
東映オンラインシアターで鑑賞。

"1977年の東映の辞書に節操の文字はない。"
だからね、流行りにはダボハゼのように食いつくんだよ。
当時はハリウッドではパニック映画ブーム、国内はガキンチョの間でネッシー効果もあって恐竜ブーム🦖
似たようなの作れば客入んだろムーヴで作ったことが随所に炸裂する東映らしい映画だった。

タイトルのあるように恐竜🦖と怪鳥🦅は出る。意外なことにタイトル詐欺ではなかった笑
でも、なかなかなかなかなか、出ないんだ。

富士山麓青木が原で自殺未遂した女性が穴に転落し偶然巨大な卵🥚を発見する。
このニュースを聞いて生前、恐竜生存説を発表するも学会の理解を得られず無念の死を遂げた古代生物学者の息子、渡瀬恒彦さんが恐竜生存🦖を確認し父の無念を晴らそうと富士山麓にやってくる。
ここから映画としての側を整えるためだけの渡瀬恒彦さんの父の逸話、渡瀬恒彦さんの元カノ?との再開があり、ようやく恐竜🦖の方が富士五湖の1つ西湖に出現する。
西湖にニセ怪獣を浮かべて騒ぎを起こしたボンクラ二人組の一人を捕え湖中に姿を消す。このシーン、恐竜🦖の全身が映ることはなくシッポ、首、顔のアップだけで構成されていて何ともショボい。
そして、生き残ったボンクラ一人が恐竜🦖出現を知らせるも先にイタズラしてるから相手にされず、偶然、展望台から恐竜🦖の姿を目撃した外国人観光客の証言があり、恐竜🦖出現に対処することになる。尺稼ぎだからこの先の見える展開を平板に撮ってるから退屈することこの上ない。

恐竜対策本部的なものが発足し専門家達が協議する。ここに何故か渡瀬恒彦さんも参加している。学者の息子なだけで居ても意味ないと思うけど、父の学説を力説する。
何だかんだ作戦が立てられそれが実行されるんだけど、この作戦を担うのが自衛隊じゃなくて地元の西湖消防団🚒なんだよ!完全にちょっと大がかりな害虫駆除の温度、、こんな貧相な布陣の上に唐突に空から怪鳥🦅が現れて西湖付近を蹂躙する。消防団員らしきアンちゃんが命を落とす。すっかり忘れたけどタイトルに怪鳥🦅とあるから、まあ、出てきてもらって嬉しいんだけど唐突過ぎるよ笑
で、この怪鳥🦅のフォルムというか顔が、嘴にあばら骨にしか見えないダサい牙がついてるなんとも冴えないもんで、恐竜🦕と違って惜しみ無く最初から全身見せてくれたのはありがたいけどテンションはあまり上がらない、、
ちなみにここにきて恐竜の絵文字を🦖から🦕に変えたのは、先の協議の結果恐竜の種類が首長竜🦕と確定されたから。まあ、最初の登場で分かってたんだけど。

そして、クライマックス。空から怪鳥🦅湖から首長🦕の襲来でどうなる西湖付近!と思ったら派手な同士討ちをおっ始めバトルがヒートした時に富士山🗻もヒートして噴火🌋する。おそらく『ボルケーノ』を意識したと思う。この安易さが東映イズムよな。
怪鳥🦅も首長🦕も噴火によって起こった土石流に呑まれ溶岩と共に地割れに落ちていきましたとさ。めでたしめでたし、、。
このずっこけアンチクライマックスを補う(誤魔化す)ためか?バトルを見守る渡瀬恒彦さんと元カノの噴火からのサバイバルを勿体つけて叙情的にねっちり描く。ソウルとムード歌謡が融合した絶妙にイナタイBGM が鳴りだし、突き出た枝にしがみつく元カノ、それに手を差し伸べて引っ張りあげようとする渡瀬恒彦さん。二人の手の距離は噴火に邪魔され縮まらない。二人の絶叫が響く。やっと手と手を握りあった、その瞬間『終』の文字が!!終わっちゃったよ。

こんなのレビューしなくていいかな、と思ったけど、舞台が西湖だから書こうと思った。
西湖には苦い思い出がある。これは罪と贖罪を放棄した愚か者の話だ。

19の時にMくん、W、T、そしておれの高校の同級生男4人で西湖に遊びに行った。
1泊してボートやバーベキューを楽しんで無難に終わったんだけど、問題はその後。
TとWが車を持ってるので、おれとT、WとMくんで2台の車で分乗して無線機(Mくん所有)で交信しながらの帰路、Tの家でちょっと打ち上げをやろうという話になり、Tの家で今回の旅行の話で盛り上がってた。途中でMくんが眠ってしまい、お開きにしようと起こしても熟睡してるのか起きない。
この場面でおれは、つい出来心から「落書きでんじゃね」と言うとMくんの額に"喧嘩上等!"とマジックで書いたんだよ。
書くまでは「やべぇよ」「よそうよ」とオロついてたWとTも書かれてもまったく起きないMくんを見て「おれも」「おれも」とイタズラ心に火がつき、バカボンパパ鼻毛や志村けんの変なおじさんを模したペイントした。M くんの顔面は珍妙なものになってしまい3人でゲラゲラ爆笑した😆💣️✨
今思うとこの段階で充分ひどいんだけど当時のおれらの認識としてはこの後また車で分乗してMくんを家に送り届けるだけだから落書きしても怒らないであろうと思ってた。落書きフェイスで人前出るわけじゃないから。
そんな風に高を括ってたからMくんが起きて、またおれとT、WとMくんで分乗して車を走らせた。数分後、無線機でMくんが「アニメージュ買いたいから本屋寄って」と言ってきた。電撃がは走った。その本屋は大型書店で客も多い。そんな人ごみの中に"喧嘩上等!"フェイスで行くなんて!!
不足の事態に動揺したけど断る理由もないので書店に停車。
「急にごめんねー」と上機嫌で書店に足を進めるMくんのうしろで焦りまくるT、W、おれ。
「まあ、でも、数分だし」「落書きを教える人もいねぇだろ」と声を潜めて話ながら書店に入った。
予想どおり、誰もMくんにそれを指摘する人も現れずレジで会計の流れになり「もう大丈夫」と安心していた。しかし、レジ係がおれらの同級生で「久しぶり、Mじゃん🎶」と話しかけてきた。「何でこいつがこんなのとこに、、」と動悸が早まった。そして「その顔どうしたんだよ🤣」とレジ係の同級生から決定的な一言が!

その瞬間おれら3人は走って駐車場に逃げた。そして、おれとTは車🚙に乗り込み「待ってくれよ、どうすんだよ」と詰め寄るWを無視してあろうことか車を走らせ逃亡した。
とは言え、逃げたままも気まずいと逡巡したおれとTは様子を伺いに再び書店の駐車場の戻ってた。駐車場に入るとWの車の助手席にMくんが悲しみと怒りを湛えた形相で座っている、遠目にも気まずい空気が見て取れた。
それを見たおれとTは先の展開に恐れをなし再び逃亡した🚙 それを見たW が猛追してきて、しばらく友人同士で激しいカーチェイスを繰り広げ、二車線道路で横に付けられた時、ウィンドウおろし「どうすんの?」と必死に助け求めるWに「もう帰るよ、Mくんごめんねー」と言って別れた。

後日、Tと二人でWを訪ね置き去りにしたことを詫びた。あの後、Mくんを送る車中は地獄のようだったとのこと。Mくんは静かに怒ってたようで感情を圧し殺し「あの2人(おれとT)とは絶交かな」とざらついた小声で呟くと車のドアを力強く閉めて自宅に戻っていったらしい🏠️
これで絶交とはならず、この件をうやむやにしたまま何回か遊んだが、Mくんはおれらと距離を取り始め気づいたら没交渉になっていた。
あの時、謝らず逃げてしまったことを今でも後悔してる。西湖と聞くといつもこの失敗を思い出す。
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