Narmy

SHAME シェイムのNarmyのレビュー・感想・評価

SHAME シェイム(2011年製作の映画)
3.3
オープニング、停止を押してしまったかと思った、笑

イケメンブランドンは何年もの間、淡々と几帳面な生活を送っていた。
社会的地位もそこそこあり、それなりに人とのつきあいもこなす。
一見満たされていそうなんだけど、実は人には言えない依存症が、、

始めの方はブランドンがどのような人物でどのような日々を送っていたのかがえがかれているんだけど、その断片的な映像を理由を知らないまま観てしまうと、ほとんど理解できないからもやもやする。
自分とは波長が合わず、ずっと間延びした印象を受ける。

何も変わらない日常である筈なのに、どんどん精神的に追い込まれていくブランドン。
ブランドンの心と同じ無機質で無表情な部屋に実妹シシーが転がり込んできたことで、なんとか保っていたブランドンの心と体のバランスが揺らぎ始める。

全体としては、兄妹2人の相反する苦しみがしっかりと伝わってきて、常に重苦しい雰囲気。
頭の良い常識人ブランドンの苦しみも天真爛漫で情緒不安定なシシーの苦しみも画面から痛いほど溢れ出る。
幼少の頃、家族の中でなのか兄妹の中でなのか、それとも環境ということなのか、何か大事件があったんだろうということは窺える。
2人の依存症の原因は1つだということ。

恋愛における幸福とはやっぱり心の幸福を言うのかな、、観ているうちに何が正解か分からなくなってきた。
少なくともいい加減でズタズタに落ちる所まで落ちるという人間ではなく、あまりにも平凡で生真面目な人間であるブランドンだからこその葛藤なんだろう。
結局は解決策を委ねるというよりは、1つの悲劇の一部分を切り取り見せられたような、1人の人生の一部分を垣間見たような、そんな感じ。
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