大女優・藤原千代子の恋心とその半生の物語。
なんて美しく残酷な物語なんだろう。
残酷という言葉があってるのかはわからないけど、恐ろしく映画的です。
今敏監督の、現実と夢の境界線が曖昧になるような演出が光るストーリー。
自身が出演した映画の1シーンと、自身が鍵の君に恋焦がれて追いかけ続けた人生をリンクさせて、まるで古くは江戸時代から現代までを転生しながら相手を求めて生きてきたように映します。
ラストの残酷なまでに美しく自己愛に満ちた恍惚は、他の映画にはない魅力を我々の心に深く植え付けて作品を終えます。
すごく好きな作品でした。
