ロエキエロ

恐怖の火星探険のロエキエロのレビュー・感想・評価

恐怖の火星探険(1958年製作の映画)
3.2
SFモンスター映画としては全くありがちなプロットながら、予想以上に面白かった。
火星に降り立った探検隊が、隊長一人を残して全滅、連絡がないのでやって来た救助隊がそれを発見、という導入もありがち。
しかし、救助隊が探検隊のロケットを捜索し、死亡した隊員を発見という、このジャンルの映画ではお馴染みのシーンは一切見せず、いきなり唯一の生存者である隊長が救助隊に拘束された後から始まるというのが斬新だった。主に予算の都合だろうけど。
怪物との戦闘もアイデアが感じられて中々面白い。
ロケットの下側から迫りくる怪物に対し、銃・ガス・電気・放射線・火炎など色々試してみるが効果がなく、どうやって倒すのか?と追い詰められながら考える隊員たちの様子は緊張感があった。
でも途中で説明される怪物の生態として、襲った人間の水分を全て吸い取るらしいのだが、この設定が活かされずに終わったのはちょっと残念。
ところで、気になったのは怪物を発見した後での隊員たちの会話。
「知的生命体だろうか?」「いや、知的生命体なら人を襲わないでしょう。」というもの。
そういう映画なのだから、宇宙人は知能があってもなくても地球人を襲うもの、と思って見ていた私は妙に納得してしまった。