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おんなの渦と淵と流れのsayuriasamaのレビュー・感想・評価

おんなの渦と淵と流れ(1964年製作の映画)
3.7
エロスと夫婦道と恋愛と
ある女性の半生

ストーリー
英文学者の沼波(仲谷昇)は、妻・須賀子(稲野和子)しか知らない、学問の道一直線の男だった。そんな中、須賀子は沼波の友人である田所(神山繁)を誘惑しようとしたことに沼波が薄々感づいていく。沼波は、彼女の中に「貞淑な妻」の表だけでなく、裏に別の女の顔があるのでは…と思うようになる。

舞台が3つのパートにわかれており、①満州②金沢③東京と戦争を挟んだ激動の時代に生きる女性の悲しい愛とエロスの人生についてのストーリーでした。

見合い結婚で、特に夫とも共有する話題もなく、自らの美貌を活かして小料理屋を営み、夫とは違うタイプの男性と出会い、性的に開放されていく女。こういう仮面夫婦、今でもいそうで辛かった。

ストーリーの切り替わり目に挿入される渦の映像や、白い物体がうごめくモノクロ画像がリアルでエロかった。

俳優陣では、線が細くて世渡りがそこまでうまくなさそうに見える仲谷昇がウザかっこよかったのと、友人役の神山繁が場面が少なくとも印象的。あとは東京パートで夫妻の隣人役の沢村貞子と川地民夫。
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