ベビーパウダー山崎

イノセントマン/仕組まれた罠のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.0
晩年のピーター・イエーツ。90年代前後の脳天気なアメリカ映画の波には乗れず、渋い娯楽作を淡々と撮っている。トム・セレックはトム・セレックらしい役柄。汚職刑事に濡れ衣を着させられ監獄行き、そこで仲間を見つけて、その刑事に復讐するという流れ。元刑務所で撮影しているのでリアリティがある、実際の場所を使って大勢のエキストラ(受刑者役)を配置してみたいな映画、最近は見ないよなあとか思ったり。今のデカい映画はCG処理で人数も少なめ。アメリカ映画はスタジオから飛び出して、生身の人間が入り乱れる暴動をいま一度映すべき。
初めから終わりまで男の一本道。トム・セレックのサムズアップでエンドロールはど真ん中すぎる。卑劣な悪徳刑事はまあまあ、復讐の三幕が結構回りくどい。トム・セレックとF・マーリー・エイブラハムの『ショーシャンクの空に』的な友情は熱い。