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悪魔のmajiziのレビュー・感想・評価

悪魔(1972年製作の映画)
3.5
A.ズラウスキー監督作品。

舞台は18世紀のポーランド。
ポーランドが分割と消滅した悲劇の時代。

国王暗殺未遂で収容されていたヤクプは、謎の男によって出所させられ、修道女と故郷に戻るがそこは荒廃した世界であった…というストーリー。

ヤクプ(ヤコブ)、エゼキエルなど聖書に出てくる名前があり、父と子や魂の話などが会話に出てくるので宗教は絶対的なベース。

善悪や美醜の区別など、所詮人間たちが自ら線引きした縛りでしかないことを、あらゆる人間の欲望や感情が剥き出しにされて表現されています。

苦難の時代、人の存在意義や行動の根底に何が潜んでいるのか。

ヤクプは悪魔に唆されて、次々と人を殺します。


「世界が醜く歪んで見えるのは、わたしが狂っているからなのか、それとも真実か?」

ヤクプの台詞に、答えられる人は誰もいないのでしょう。

最初から最後まで圧倒的な狂気の連続!
前衛的な演出、ここに極まるという感じでした。

音楽がたまにど根性カエルみたいになる(ビョョーン)変な拍子とか、悪魔が喜怒哀楽激しくて踊りがダサいとか、なんか笑ってしまうところもあります。
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