Qちゃん

マペットの宝島のQちゃんのレビュー・感想・評価

マペットの宝島(1996年製作の映画)
3.6
ザマペッツのキャラで描く、スティーブンソンの「宝島」のミュージカル。とはいえ、最重要キャラ2人はちゃんと人。

初めて観たのが「三銃士」のリシュリュー枢機卿だったこともあり悪役のイメージ強いティムカリーのシルバー、はじめ「いやなにこの明らかに異様な迫力のある怪しげな人選」とも思ったが、結果的に驚くほどナチュラルで、その後の展開をすんなりと受け入れさせる説得力も、憎めない愛嬌もあってすごいよかった。

そして意外と原作に忠実。ちゃんと大人でも楽しめるレベルで組まれたストーリー展開と演出。かつ、マペッツらしい味付けは可愛らしかったし、海賊との宝の争奪戦ということで避けづらい血生臭い部分も、彼らのおかげでかなり和らげられてた。人が死ぬとこもうまいこと避けられてたり、違うコミカルな描き方などで自然にカバーされてて、子供向けにも安心設計。

4歳になりたての子供たちは、前半結構おっかなびっくりだったが、後半は楽しんでたようだし、なんなら子供向け絵本の「宝島」よりも、こっちの方がシルバーとジムの心情の機微も含めたエッセンスも、物語のワクワクもよく伝わってくる。世界名作文学として「宝島」に初めて触れさせるのにも、コレすごい良い気がする。
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