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危険な戯れのslowのレビュー・感想・評価

危険な戯れ(1975年製作の映画)
4.1
娘は誘拐した。身代金を用意しろ。
断れば娘は娼婦にしてしまうぞ。
ある富豪が謎の組織から脅迫を受けた。最近多発している誘拐事件が、娘の身にも起こってしまったのだろうか。慌てた富豪が執事に娘の外出した時間を聞いたところ、何と既に帰宅していると言う。…?組織が誘拐し間違えたのだろうか。とりあえず胸を撫で下ろした富豪だったが、安全を期すために娘をある場所に匿うことにした。

話は少しずつ、時に大胆に行き違い、そこに妄想まで乱入し始めるものだから、収拾がつかない。何故だろう、面白い。
自分は完全にコメディとして鑑賞。フランス人がド真面目な顔で脚本通りにコントしているような、真剣に受け取ればなかなか恐ろしい出来事が次々に起こっているのだけれど、荒唐無稽過ぎて笑ってしまう。もうBGMからして観客をそっちに誘導しているとしか思えない。鳥の囀り、車のクラクション、音遊びの可愛さと、おもむろに繰り返されるおっぱい。アニセー・アルヴィナが美し過ぎてファンになったけれど、ほとんど映画出演していないようで、残念。ただ、女性軽視したような展開も多く、不快に思う方もいるかもしれない。

ホドロフスキーやリヴェットを感じなくもないのだけれど、これはこれは独特な空気。突拍子の無さはちょっと『SPEC』というか堤幸彦ぽくもある。18禁の絵本みたいな映画『不思議の国のエロス』。
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