キャスト、ロケ地、衣装、豪華の一言。
4時間の長さはまさにワーグナー並みだが、飽きも来ず、必要十分な長さであった。
長さからいって、そうそう観られる機会もないと思うので、観るならぜひしっかり時間を作って大事に観たい作品。
冒頭に登場したルートヴィヒ2世は大変美しい。切れ長で潤んだくっきり二重の瞳は観るものの目を引く。ネットで検索したところ、肖像画とも似ている。
彼の、バイエルン王即位から死までを描く。
高貴な身分なのに、王として寛容で理性的、というよりは芸術肌で、感性が優先。現実を見ず、政治手腕は殆どない。やがて心は暗くねじれていく。
日本版を作るなら稲垣吾郎、北村一輝などがはまりそう。
女性陣もみな見目麗しく、みなこれでもかというほど豪奢な衣装を身につけている。
非常に重そうな布地。
ヘレンキームゼー城やリンダーホーフ城の豪華さは、訪問者が笑い出すほど。
だがだだっ広さがかえって寂しく、外はずっと冬景色で、彼の心情ともシンクロする。
ヴィスコンティが映画監督としてこんな作品を作れたことが羨ましい。