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チャーリング・クロス街84番地のBaadのレビュー・感想・評価

4.3
これ、昔原作を古本屋さんで見つけて読んだ覚えがあるなあ、と思い出し、配信で見ました。

1984年の映画なんですね。映画よく見ていた頃なのになぜ知らなかったのかな?

アン・バンクロフトとアンソニー・ホプキンスの共演で、ジュディ・ディンチがホプキンスの妻役で出演しています。
みんなまだ若い!

ニューヨーク在住のさほど売れていない作家がイギリスはロンドンのチャリング・クロス街にある古書専門店から本を取り寄せるうちに書店の人たちとの友情が芽生える、というノンフィクションだと思っていたのですが、なんと長い文通にもかかわらず、(以下自粛)だったのですね。

担当書店員とヒロインのイギリス文学への造詣とこだわりが素晴らしく、また、インテリアや衣装など、時代の変化を雄弁に物語っていて見応えがありました。
あと、アン・バンクロフトの表情と演技が素晴らしい!

戦後のイギリスの庶民の苦境(配給制)などは、戦勝国でも大変だったのですね。豊かなアメリカとの落差も興味深い。
あと、ニューヨークの発展に伴って、アパートを引っ越すところなど、さながら40年代から70年代までの生活史ですね。

チャリング・クロス街に行っても、映画によれば件の古書店はないということで、それが1980年代なのですから、今は見る影もないのでしょうか?寂しいことですね。

思いがけず極上の小品を掘り当てることができました。

どなたのレビューで気づいたのかは忘れましたが、ご紹介くださった方、ありがとうございました。
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