継

チャーリング・クロス街84番地の継のレビュー・感想・評価

4.0
古書籍の収集を趣味とするNY在住の女性作家ヘレーヌ(アン・バンクロフト)は、新聞広告で見つけた英国の古書店へ注文の手紙を出す。
程無くして届けられた古書には店主による真摯な返信が添えられていたー。

戦後まもない1949年, 原作者がモデルのヘレーヌとチャーリングクロス街の古書店 Marks & Co.の店主フランクの、20年に渡る往復書簡による交流。
本作は古書の話題のみならず、戦後の米英の世相も併せて映していきます。

パッケージ裏の解説に “珠玉のラブストーリー” とコピー書いた人は、本編を観てないです(笑)
原作は読みたいけどコレをAmazonでポチッとするのは何か違う気がして(^-^)、装丁が何種類かあるので綺麗なコンディションのを探したいなと。江藤淳訳だし。

フランクの筆致はお客様へ宛てる文面なので丁寧でやや堅苦しい手書き。
対照的にヘレーヌは煙草スパスパ吸いながら(-。-)y-゜゜゜思うまま好き放題にタイプライターを叩く。
お国柄や店と客の立場の違い、何より二人の性格をそのまま表したような文面がやり取りを重ねる毎に親密になり、互いに返信を心待ちにするようになっていく様子が丁寧に描かれます。
今のLINEとかメールと一緒ですね。返信が遅いと文句を書くヘレーヌ、身に覚えがあるような(笑)。

古書の知識を要求されるフランク役にアンソニー・ホプキンス。『ハンニバル』で美術史を講釈する知性溢れる姿が記憶にあるからか配役には説得力を感じるも、もれなく付いてくる人喰いレクターのイメージが頭をよぎってヘレーヌのジョークにニタリと微笑む表情にヒイィ~!o(><;)(;><)o
ヘレーヌ役がジョディ・フォスターやジュリアン・ムーアだったらNY行ってますねコレ。危なかったねヘレーヌ(・ω・)\(--;)

特定の相手と顔を合わす事もなく20年も交流が続いたのは単に馬が合ったからじゃなくて、やはり物書きに精通し文学に並々ならぬ愛情を寄せる同士と互いが認め合ったからこそ。
途中からカメラへ近づいて話し出すヘレーヌ。様子が違う文面を読む「あのシーン」ではフルショットを遠目で撮らえて、、あの距離感は絶妙でした。
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