橘

帝都物語の橘のレビュー・感想・評価

帝都物語(1988年製作の映画)
3.9
好きです。カオスっぷりが良いです。ちゃんとした(?)ストーリー部分も、背景の東京の街の様子も好き。凌雲閣は勿論、ビヤーホールも、人々の服装も和装洋装入り乱れて眼福でした。
帝都物語=魔人・加藤保憲というイメージでしたが、原作未読な為、初っ端から「加藤だ!!」「倒せ!!!!」みたいになってるの不思議でした…前にも何かやらかしてるのかなこの人…。土御門家とやり合ってるので陰陽道の強い人??
東京を破壊する為に平将門を起こしたかったみたいだけど頑なに起こされない将門。最終的に将門鎮めに1番貢献したの學天則くんでは?ってなったのも面白かったです。學天則作った西村真琴博士に扮してた、実の息子さんの西村晃さん良かったです。學天則自爆させたけど、戻って首抱えてるのなんか切なかった。。

加藤保憲役の嶋田久作さんが圧倒的存在感でした。東京グランギニョルの時に加藤役されてたとはいえ、映画デビューらしいのに凄い。ビジュアルも良きです、何処にいても加藤すぐ目に付く。
原田美枝子さんの凛々しさと、勝新太郎さんの渋さと。渋沢栄一て。平幹二朗さんも画面が強い。
思いの外良かったのは桂文枝さん。風水師も冷静に強かったです。二宮金次郎像をレーダー的に使うとか、風水ってこういう事するんだっけ?とはなった。
素敵だったのは泉鏡花。タロットカードで辻占してる謎キャラだったけど隠し切れない美しさと艶はさすが坂東玉三郎さんでした。憎悪と愛情は紙一重みたいな、加藤保憲と恵子の恋愛的なのに一人だけ気付いてた。

でも結局、重要っぽかった辰宮家はよく分からなかった。。岩に吸い込まれたのでは?ってなったけどその後普通に外いたし。。
加藤は退けたし、地下鉄は引けたし万々歳みたいな感じなんかな魔都東京。破壊と創造?再建?を繰り返し…的なこと渋沢翁は言ってたけど。
続編は違う世界観みたいだけど観ます。
橘