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さらば愛しき女よのzhenli13のレビュー・感想・評価

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)
3.6
『ロング・グッドバイ』と続けて観た。レイモンド・チャンドラーの原作を読んでないのだけど、全編にわたりロバート・ミッチャム=フィリップ・マーロウのモノローグでつないでおり、原作そのままのセンテンスを台詞にしているのだろうか、マーロウがジョー・ディマジオの記録を気にするようすもほとんどモノローグで語られるし、どちらかというと小説の再現映像という趣き。でも時代考証、美術が好い。画面の色調も柔らかく繊細。台詞で「ナチスがロシア(?)を侵攻した」というのと、マーロウが持つ新聞に「TOKYO」の大見出しが見えることから1941年頃の設定のよう。
ロバート・ミッチャムとシャーロット・ランプリングというキャスティングも好い。ミッチャムは原作からすると齢とり過ぎらしいが海千山千の感じがあの眠そうな容貌に余裕を漂わせてて味わい深い。シャーロット・ランプリングとも即行いい感じになってる。しかしこの頃のランプリング(『愛の嵐』の2年くらい後)はものすごく細身な身体と険のある三白眼が少年のような硬質さでありながら、ただならぬ頽唐した空気を纏っている。
はからずも『ロング・グッドバイ』がシュワちゃんで本作はスタローン。端役エクスペンダブルズ。
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