Netflixオリジナル。拒食症となった20歳の主人公エレン（途中からイーライという呼び名になります)をリリー・コリンズが文字通り骨と皮になった体、まさに体当たりの役作りで描いた作品です。
拒食症というものは、すでに沢山の人に馴染みのある言葉ですがその実情の部分を知れたという意味で私にとって唯一無二の作品です。
「ハッピーエンドが書けるまで」でリリーが演じた主人公の弟に、天使の様に儚いガールフレンドが出てくるんですが、そのガールフレンドを演じたLianaが、本作ではリリーの妹役で、再び共演しています。Lianaちゃんの演技、なかなか好きです。特に家族セラピーで、拒食症を患うエレンに「お姉ちゃんに腹が立って仕方ない」という妹の切実な想いを涙ながらにぶちまけるシーンでは、とても胸に迫るものがありました。姉妹のいる人にとっては余計に、琴線に触れるものがあると思います。
なんでわざわざ、死ぬようなことをするんだ？食べればいいだけなのに。もっと太ったほうが可愛いのに。そう叫びたくなる心境にもなります、正直。健康な体に生まれたのになんでわざわざ死にに行く様なことすんの？って。でも、エレンがその理由をほんの少し劇中で語る背景からも、女性として生きる難しさ、メンタルのバランスを壊すのも理解できる気がしました。
思うに拒食症はきっと誰にでもあり得ることなのだと思う。もっと痩せたいとか、自分の体のここが嫌いだとかっていうのは、どんな女性でも思った事があるはず。その延長線上に、この病もあると思う。
自分は、自分をちゃんとコントロールできる女だ、そんなふうに自分にストイックでいることが＝一切食べないこと、過度な運動をすることにとってかわったとき、正直病だと自分では思えないのも無理はないと思う。
お母さんのミルクのシーンは号泣だったな。でもね、なにがあっても「死にたかったら責めない」とか、そんな言葉は口にしちゃいけないと思った。
よくお母さんに言われたもんだな、「私より先に死のうものなら地獄の底まで追いかけて引きずり戻すから！」って笑。なんかジェスチャー付きでよく言ってた。そんな簡単に死なないわ！怖いわ😂笑！って当時よく笑ってたけど、今となっても親の愛情をとても感じます。
絶対に死なせてたまるか、それが本当の愛情だとしたら鬱陶しいこじらせ継母のほうが実はエレンのことを本当におもってるんじゃないかな、最後のハグはそんな想いがエレンに伝わったんじゃないかなと思えて涙が止まらんかったです。
良作です！
