ロエキエロ

2000人の狂人/マニアック2000のロエキエロのレビュー・感想・評価

3.5
2000人の町民全てが亡霊というダイナミックさがアメリカらしくて凄い。
と言っても役名のある町民は約5名で、後はエキストラが最大でも50人くらいなので設定ほどスケール感はない。
でもそんな安っぽさがコメディチックな作風に寄与していて、逆に面白い。
13金や悪魔のいけにえなど、一人の殺人鬼が頑張るスラッシャー映画の変化球で2000人もいるのか?と思ったら、本作の方がずっと前に作られていた。
しかもスラッシャーシリーズは行き詰ってコメディに転向するのだから、ホラーコメディという本作の路線の後追いになる、と考えるとハーシェル・ゴードン・ルイスって凄いなあ。
スラッシャー系以外でも、異常者しかいない村に迷い込んでしまう映画(変態村など)、明るい陽射しの下で殺戮が起きる映画(ミッドサマー)の先駆的作品でもあるようだ。
ただ本作には、被害者を虐殺した途端、大はしゃぎしていたはずの町民が突然真顔で黙ってしまうという謎のシーンがある。
これは現代のホラーでは真似できないんじゃないかと思っている。