saya

SF異星獣ガーのsayaのレビュー・感想・評価

SF異星獣ガー(1985年製作の映画)
3.5
火星のクレーター定期調査で発見された石の内部から出現した謎の水晶と宇宙生物が、短距離連絡挺の乗組員たちを襲っていくSF映画です。
いろんなヒット作品の要素をぶち込みつつ、映画の作風までコロコロ変わってしまう奇想天外な作品でした。
『エイリアン』のように人間が次々と殺されていく展開なのに、感情を揺さぶられることもなくあっさりとみんな死んでしまいます。
火星調査していた乗組員たちが全滅するのに開始10分もかかってないんですよ。
それというのもこの映画は後半から急に『E.T.』になるので、登場人物の死にいちいち感情移入されてしまうと物語の整合性が取れなくなってしまうからです。
宇宙生物は腐って溶けたE.T.みたいで腹立つ顔しているんですけどね。
ペペローションみたいな粘液を垂らしながら触手を巻き付けてきて、『スペースバンパイア』みたいに人間が干からびるまで吸い取ってしまう攻撃が実に卑猥でした。
可愛い女の子とこの映画を一緒に観て、どんな顔するだろうと隣でニヤニヤするのはセクハラだからやっちゃ駄目ですよ。
第一印象は最悪だった男女がひとつ屋根の下で次第に惹かれあう王道の少女漫画展開も一応あるんですけどね。
宇宙生物の正体を探るべく記録映像を再生してみたら、乗組員がボール遊びする様子が延々と移っているだけというシュールな脱力系ギャグまであって、誰に向けて作られた映画なのか困惑してしまいます。
異文化コミュニケーションで意見に食い違いがあっても、話し合いで争いは回避できるという結論は別に構わないのですが、宇宙ステーションを爆発させた件については納得のいく説明を聞かせてもらいたかったですね。
saya

saya