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ダーク・フェアリーのsayaのレビュー・感想・評価

ダーク・フェアリー(2011年製作の映画)
3.3
両親の離婚で精神を病んでいる少女が、別居していた父親と古い屋敷で一緒に暮らすことになったのですが、地下室に閉じ込められていた邪悪な妖精たちを解放したせいで襲われてしまう話です。
ギレルモ・デル・トロ制作にしては怪物の造形が少し地味な気もするのですが、痛みを想像させる嫌な描写が非常に上手い作品でした。
ゴア描写そのものは全然きつくないのに、見る人をドキッとさせる演出が素晴らしいですね。
実の父親は、娘よりも仕事を優先していて、血の繋がりもない恋人キムのほうが娘を心配して助けようとするシチュエーションにもすごく燃えました。
最初は仏頂面で可愛げのなかった少女が、次第に可愛らしく見えてくるのが実に良いです。
ずっと仏頂面なのに、お風呂に入るときは笑顔になるのがまた可愛らしいんですよ。
日ごろの行いや態度の悪い少女が、妖精たちによる悪戯の犯人扱いされてしまうお約束の展開から、それでも少女のことを理解しようとするキムと打ち解けていく流れがエモいです。
ギレルモ・デル・トロ制作の『MAMA』くらいは、頑張った人が報われてくれたら、もっと良かったのですけどね。
映画の序盤で、画家の男がメイドに襲い掛かって無理やり歯を奪っていたのですが、そんなことしなくても近所に住む子供たちから乳歯を買い取るとか、墓を掘り起こして子供の遺体から歯を盗むとか、いくらでもやりようはあったんじゃないでしょうか。
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